声恋 〜せいれん〜




「そのまま飛行機にのって北海道まで行っただぁ?!」




エリカが大声で叫ぶ。




「うん、道ばたで口論になって、わたしが『あなたみたいに声に魔法がかけられる人は声でなんでもすまそうとするけど、そんなのはいけません。大事なお話はちゃんと会って、目を見てお話ししてくださいね』っていったら、ムッとした顔になって、そのちょとすねた顔がまた素敵なんだけど、『だったらお前も来い』みたいな話しになって、えーっ、うそ、そんなの、うれしい〜とか思ってついて行ったらいつのまにか空港に来ちゃってて、彼女は北海道だからこれから飛ぶぞ! って言われて…」




「で、蓮也さんが彼女と会ってるあいだ、わたしは別のところで待ってたんだけど、そのお店のメロンパンがまたおいしくてさ〜♪、生地がカリカリサクサク、なかはふんわりもちもちで、超おいしいの! クリームが入ったやつも売ってて、これもとろ〜んと甘くて、メッチャおいしかった! あ、これ時間がなくて空港で買ったおみやげのストラップ、夕張メロンにクマの顔が…」




「あんた…わたし、一周してちょとかっこいいとか思っちゃったよ…」




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