ぼくたちのケータイ小説の作り方
4.7 キャラクター例 その1
例えば「家族の誰もマンガをいっさい読まない家庭」で育ったキャラクターがいたとします。
そうするとその子にとっては「マンガを読まないのは普通のことだ」という認識を持ちやすくなるでしょう。それは普通の人たちからすれば「読まないことが普通だと思っている、変わったやつ」という特徴をもちます。
その子はマンガを読む時間をなにか他のことに使うでしょう。学校での話しが合わずに、友達とのコミュニケーションで苦労したかもしれません。
親がマンガを読まない、ということはそういうものを嫌った厳格な性格の人たちなのかもしれません。
逆に昔は有名なマンガ家だったのに何かの拍子で描くのをやめてしまい、それいらいマンガがすごく嫌いになったし子供にもその事をだまっていた、という理由づけもできるかもしれません。
マンガを読まないということはアニメやゲームにも興味がないかもしれません。かえって周りの友人はおもしろがってマンガをすすめてくるでしょうし、秋葉やイベントに連れていこうとするかもしれません(そして人間は往々にして、耐性がない状態で衝撃的なものに出会うと逆にそれにハマってしまうものなのです)。
しかもためしに教えてもらってマンガを描いてみたら、いままでだれも見たこともないようなとんでもない斬新なものを描きあげるかもしれません。
このように、なにかしらマンガに関わる出来事をもち出すだけで、お話がどんどん動いていきます。
「マンガを読んだことがない」という設定を一つ作るだけでは「キャラが立った」とは言えません。それによって「物語を動かすことが出来た」とき、はじめて「キャラが立っている」と感じることができるのではないでしょうか。