ぼくたちのケータイ小説の作り方
3.27 ケータイ小説最大の魅力は「共感性」
ケータイ小説の一番の魅力って何でしょう。
よく「泣ける」とか「気持ちがわかる」という声を聞きますが、それはすなわち『強い共感性とあこがれ』があるからだと思います。
それはケータイ小説が普通の書籍の小説とちがって、編集者の「大人の感性」をねじ込まれずに発信できるからです。
書き手の気持ちがダイレクトに伝わる。それこそがケータイ小説の一番の魅力ではないでしょうか。
そして書き手の気持ちは主人公が代弁します。
多くのケータイ小説は一人称(わたしは…で書かれた文章)です。小説そのものの魅力が、その語り手である主人公の魅力と深く結びついているのです。
だから主人公が、喜怒哀楽が少なかったり、好奇心がなかったり、負の感情をため込むにしても、中途半端なところで結論を出してしまったりと、そういう「つまらない主人公」だったりすると小説全体がつまらなくなってしまいますね。
「面白いもの」「好きなもの」(逆につまらないと思うもの、嫌いなもの)に対する愛情や嫌悪を前面に出せれば、読者は主人公(あなた)に共感し、あこがれ、ひいては作品自体の強い関心へと変わっていくことでしょう。