僕らはみんな、うさぎ団


どのくらい時間がたったのか分らないが、
きっと5分も掛からないうちに返してくれただろう。

しかし私の、その5分間は、
エンジン全開のフェラーリが
三輪車をこぐ赤ちゃんに勝てないぐらい
ゆっくりと流れていた。


私が必死で求めた
暗闇の中に零れる小さな希望の光が入っているのか

それとも、

私が必死で否定した
永遠に光の届かない、深い暗闇が入っているのか

最後の望が
この小さな携帯電話に託された。


私は
震える手を必死に抑え、
この携帯電話を恐る恐る開いた。




・・・・・・・




私は泣きそうになった!!!


今度は公園の時と違って、誰もいないから
思う存分、好きなだけ泣けばいいのに、

私は何故か、こみ上げる涙を



必死に・・・・・



必死に



堪えた。




[こないだの公園の子だよね!?


 生きてていいに決まってるじゃん!!!


 君は生きてていいんだよ!!


 君はこの世に存在してて、いいんだよ!!!


 どうした?
 何かあたっの!?

 大丈夫か!?

 今、学校!?
 1人!?]






『君はこの世に存在してて、いいんだよ!!!』





私はコノ一言をどれだけ聞きたかっただろう。





私はコノ一言にどれだけ救われただろう。





私はこの一言にどれだけ感謝しただろう。





私はコノ一言に、何度も、何度も





ありがとう………ありがとう………ありがとう………




と繰り返した。





携帯電話のディスプレイは濡れていた。







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