僕らはみんな、うさぎ団


「大丈夫って!!
 脚から血ぃ出てるよ!!
 一応、病院で診てもらったほうがいいよ!!」

腕をつかまれたせいで、私の顔が
長い髪の下からチラリと覗いた。

「ホント、大丈夫です!!
 かすり傷ですから!!」

と私が言った瞬間、

一般的な良心しか持っていない黒コゲの人は、
心ではガッカリしているけど、
それを顔には出さないようにしているようだ…
だが、実際、隠し切れていない…




だけど、そういうのはもう慣れた。




人間、思ってしまう事は仕方のない事だし…




きっと、
一般的な良心を持った黒コゲの人も、
別に怪我した人がカワイかったらいいのに、
と心の中で思って声をかけたのではなく、

一般的な責任感と、

一般的な良心から、

私に声を掛けたのだろう。




だけど、意識はしていないが
心の奥底で、どこか

――カワイかったらいいのに、――

とか、

――美人だったらいいのに、――

と、一般的な人間なら
必ずと言っていいほど、
コノ思いは、潜んでいるはずだ。





だから、その期待とは
全く逆の応えが帰ってきたら
そんな顔になるのも仕方ない…



コノ黒コゲの人は、
一般的な良心を持った、
いい人だ!!!




いい人だ・・・







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