僕らはみんな、うさぎ団


「人見知りする人だね。
 きっと恥ずかしがり屋さんだね。」


彼の顔を見てはいないから、
私の想像だが、
きっと、気さくで、嫌味のない爽やかな笑顔で、
優しく喋りかけてくれているんだろう。


そんな優しいコノ人に顔だけじゃなく、
性格でも期待に応えれない自分が




嫌だ…





「……………………」





「…………化膿すると臭いですよね。…………」



なんだよそれ!!!

化膿すると臭いですよねって、
何なんだよそれ!!!
どんな会話してんのよ私!!!
もう、最悪だ!!!


「そうだよね!!
 化膿するとホント臭いよね!!
 あれはヤバイよ!!
 君もなった事あるんだ?!
 俺もあるけど、ホント臭いよねぇ!!」


意外にも喰い付いて来た!
新しいゲームを買ってもらった子供のように
キラキラした目で化膿なんかの話をするコノ人を見て
ついつい笑ってしまった。


化膿の話をこんな楽しそうに話す人を初めて見た。
変わった人だと思った。


でも冷静に考えてみると、
この耐え難い空気をなんとかしようと、
私の渾身の一言を盛り上げるために
必死に頑張ってくれているんだと気付いた。


その瞬間、私の笑顔は微妙なものになった…


コノ人は一般的な良心よりも
とっても強く、優しい良心を持っている…






とっても強く、優しい良心を持っているコノ人が、
手に持っていた、凄く上手な絵の描いてある道具箱みたいな箱から
何かを出そうとしている。






< 7 / 36 >

この作品をシェア

pagetop