憂鬱girl-stage③-
「自転車だと濡れちゃうね」
春兄はそう言ってお味噌汁をすすった。
「…はい。困ります」
天然パーマは雨の日は本当に大変です。自由奔放に曲がりくねる髪達。セットしても、自転車で学校まで迎えば、きっと意味がないんだろうな。
「つきましては、春兄。どうか、送迎の方宜しくお願いします」
ぺこりと下げる頭。
「良いよ。」
あっさり笑顔で承諾してくれた春兄。ん?だったら、初めから『送ってく』と言ってくれてもいいんではないですか?
「あ、これで日和に貸しイチね?後で何かで返して」
「…」
うん、取引ですか。