憂鬱girl-stage③-
呆然とするあたしに構わず、スタスタと足を進める玉津君。何やらショックを隠せないあたしは、その背中をただ眺めるだけでした。
『日和何してんの?』
そしてそんなあたしの背中に声をかけたのが、
『はるにー…』
『そこは不特定多数の靴の底が足をつける所でしょ。ドジ』
眉をしかめた春兄。あたしが転んだと思ったみたい。だけど、それを見ていた友達のともちゃんが、顔を赤くして『今玉津君に押されたんです、それにひーちゃんの事ブスッて』とまくし立てた。ともちゃんはクラスで一番可愛くて、はるにーの事が好きで、あたしは玉津君の事よりも、その方が気になって仕方ない。