憂鬱girl-stage③-
春兄は黙ったまま、少しだけ眉を寄せた。
『日和、ほんと?』
『…』
黙り込んだあたしに、フゥとため息をついた春兄。笑われちゃうのかな、そう思ったけど、春兄はそんなあたしをチラッと見て、そのままあたしを立ち上がらせると、制服についた土を払ってくれた。
それから、頭をポンポンっと撫でるように叩く。
『はるにー?』
あたしの呼びかけに、何も答えもせず翻した背中に、ともちゃんは「かっこいー」とハートマーク全開で見惚れていた。