憂鬱girl-stage③-

次の日、


あたしの席まで来たのは玉津君。登校一番に話しかけられた言葉は『おはよう』じゃなくて


『昨日はごめんっ』


だった。呆気にとられたあたしの手に玉津君は小さなキャンディを持たせて『これでチャラな』と憎めない笑顔を向けた。

状況の読み込めないあたしに、後から説明されたのはトモちゃんから。


『『あれ、僕の妹だから』だって』


春兄は玉津君のおでこをデコピンして、紳士的?に微笑んだらしい。ともちゃんは黄色い声で続ける。


『『ブス』は認めない。君のレベルがどれだけ高いか知らないけど、日和は可愛いよ。悪いけど。』


そう言った春兄の微笑はため息が出る位綺麗だったとか。


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