NOAH
まずは、与えられても使い道が無く、たまりに貯まっていたお小遣いを援助物資に充てることにした。

ヒオウのお金を合わせると相当な金額になり、当分の間不自由しない物資を贈る事が出来た。
 
少しずつではあるが、人々と会話を交わし、子供達の遊び相手になったりした。
 
まだ地下に居る病人の世話は怖くて出来ないが、衛生的なところに居て欲しいと、掃除等はするようにした。


そして、一番やりたいと思ったこと…。

 
レイは、母が生前勤めていたという研究所を訪れた。
 
他の研究員達はレイの登場に驚いていたようだったが、すぐに受け入れ態勢を整えてくれた。

 
母が自分を放ってまで没頭していたという緑を広げる研究。
 
憎いという気持ちももちろんあった。
 
しかし、それほどまでに母を夢中にさせたものを見てみたい……。そういう気持ちも強かった。

 
研究員達に指導を受けながら、母のしてきたことを辿る毎日が続いた…。




「あの子、変わったわ」
 
ヒオウはノアにそう漏らした。

「貴女のおかげね…」

「そうかな。アイツのお母さんは、素直で優しい子だって言ってたけど。色々あって捻くれたみたいだけど、元はいい子なんだろ」

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