NOAH
「確かに今日はいい天気ね。ジメジメした感じもなくなってきて、空気が清々しくなったわ」
ヒオウがそう言うと、乃亜はにっこり笑った。
「そう、……んー、暑くない、涼しい。んんー……」
乃亜は何かを言いたいらしいのだが、言葉が出てこないのか、難しい顔をして唸っている。
しかしすぐにパッと笑顔を作り、レイに手を伸ばした。……言葉を伝えるのは諦めたらしい。
「いこう、レイ、ヒオウ」
「アタシも?」
「うん」
レイとヒオウは、乃亜に引っ張られて外へと出て行った。
その様子を診察室の窓から眺めていた聖は、思わず顔を綻ばせた。
大の男二人が背の低い少女にグイグイ引っ張られて道を歩いている。その姿のおかしいこと…。
「先生、次の患者さん入れますよ」
看護師に声をかけられ、慌てて窓から視線をはずす。
「はい、お願いします」
カルテを手にし、看護師に声をかける。
このまま何事もなければいいが…。
聖には、彼らに確かめなければならないことがあった。しかし、どうしてもそれを、訊く気にはなれないでいた…。
ヒオウがそう言うと、乃亜はにっこり笑った。
「そう、……んー、暑くない、涼しい。んんー……」
乃亜は何かを言いたいらしいのだが、言葉が出てこないのか、難しい顔をして唸っている。
しかしすぐにパッと笑顔を作り、レイに手を伸ばした。……言葉を伝えるのは諦めたらしい。
「いこう、レイ、ヒオウ」
「アタシも?」
「うん」
レイとヒオウは、乃亜に引っ張られて外へと出て行った。
その様子を診察室の窓から眺めていた聖は、思わず顔を綻ばせた。
大の男二人が背の低い少女にグイグイ引っ張られて道を歩いている。その姿のおかしいこと…。
「先生、次の患者さん入れますよ」
看護師に声をかけられ、慌てて窓から視線をはずす。
「はい、お願いします」
カルテを手にし、看護師に声をかける。
このまま何事もなければいいが…。
聖には、彼らに確かめなければならないことがあった。しかし、どうしてもそれを、訊く気にはなれないでいた…。