NOAH
「今日はこの服でいいのかな」
 
李苑が用意したのであろう、雛の洋服はいつも通りに三段あるチェストの上に乗っていた。

「はあい…」
 
雛はまだ眠そうな様子で、黎が渡した洋服に着替え始める。

「んしょ、んしょ…」
 
白いタイツを履くのに少し手間取っているが、李苑から「手を出さないように」と言われているので、黙って見守る黎。

「できたー」
 
着替えが終わる頃には目が覚めたらしく、雛は元気良くそう言った。しかし、良く見るとトレーナーが前後ろ逆になっている…。

「うーん、雛、ちょっと間違ってるよ」

「えー?」
 
雛は今着たトレーナーをつまんで眺める。

「逆だよ、逆。ほら、ばんざーい」

「あいー」
 
トレーナーをスポン、と脱がせると、ちゃんと前を確認してから、また着せてやった。

「はい、出来たー」

「できたー」
 
2人でニカッと笑うと、手をつないで部屋を出た。

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