NOAH
「で? 何があったのよ?」
 
しばらくして黎を解放した陽央は、やや不機嫌さを残しつつ聞いてみた。

「う、うん…。あのさ…」
 
中々話し出さない黎に少しイラついていた陽央は……ふと、ある考えが浮かんだ。

「アンタまさか……乃亜を妊娠させちゃったとか言うんじゃないわよね!?」
 
その言葉に、黎はベッドから激しく転がり落ちた。

「いやああ~! 何てことしてくれるのよ! この世界では未成年の結婚は大変なことなのよ! 聖くん達にこれ以上迷惑かけないで頂戴よ~!」

「い、いや、そうじゃなくて…」

「えっ、違うの?」

「そんな話じゃないんだ…」

「じゃあ、何の話?」

「あの……こ、告白出来ないから、どうにかしたいなあ……と」

「……」
 
黎のその台詞に、今度は陽央が驚く番だった。

「そ、そんな話なの!?」

「そ、そう…」
 
黎は少し照れながら頷く。

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