僕は忘れるんでしょうか
「パンドラの書!?」
周囲の者がざわめきだす
「本当にあるとお思いですか?あれは都市伝説では…」
「有る無いの問題ではない雷帝様が欲っせられているのだ」
親分が辟易しながら言う
「かくゆう、私たちも伝説を信じ散々探しましたが駄目でした
ですからもう、少なくともここには…」
「……そうか、この地の者が言うなら仕方ない
それならここに用はない」
「ちょ、ちょっとお待ちくださいませ!
……先ほどはあなた様と知らずご無礼をいたしましたが、私の身は何とぞ…」
親分が胡麻擂りをしながら言う
「案ずるな、俺はそんな小さな人間ではない」
――たしか最初に喧嘩を売ったのはあなたでは…
「ただ…一つ頼みたいことがある、ちょっと頼まれてくれないか?」