僕は忘れるんでしょうか
「あの少年を俺に預けてくれないか?」
――へ?オレですか!?
親分も少年と同じように目を丸くしている
「お恐れながら、このガキにあなた様のような高貴な方とは不釣り合いでは…」
「そんなことはどうでもよい
どうなんだ寄越すのかそれと…」
「任せます!!」
――決断、早っ!
せめて全て言い終わってからにしろよ
ていうかオレの意思は無視ですか!?
「いや、そんな急に言われても…」
「よかったな、ガキ!晴れて雑用卒業だな!
……ということで私は応援していますので、ヘッヘッ、色々な意味で宜しくお願い致します…」
「いやいや、だからオレは…」
「うむ、承知した
なにをぼさっとしてるんだ
すぐさま雷帝様に報告しなければならないから早く準備しろ」
「は、はぁ…すみません……」
――なんでこうみんな身勝手なんだろう…
「おい、ガキ!」
親分がオレを呼びとめる
「なんですか親分?」
「これを持っていけ!
この剣はお前がここに来た時に背中に着けていたものだ、大事にしろよ…」
そういって親分は刃が短く、柄が普通のサイズと少し変わった剣を渡した
「ありがとうございます!親分!」
「挨拶は済んだか?それじゃあさっさと行くぞ…」
こうしてオレは一夜にしてカロールの町を後にする事となった