僕は忘れるんでしょうか
「俺がまだお前ぐらいの年の頃、そうだなぁ…18ぐらいの時
俺はある武装集団に所属していた
その集団はハリベルの主力軍の一つであり通称、“白忍”と呼ばれた
主に暗殺や戦争時の兵力いわゆる、薄汚い仕事の専門家だ
ある時、敵の兵糧がこの道に隠しているとの情報が流れてきた
確かにここは何かを隠すにはぴったりの場所だったからな
……そして当時の白忍の指揮官は俺達にこう命じた
「燃やせ」
俺は納得ができなかった
燃やす必要なんかない!地道に少しずつ探していけばいい!と言った
…だが俺は所詮、路傍の兵士
兵隊風情の意見に首を縦に振る指揮官などいなかった
確かにちまちま探しているところを急襲されたらひとたまりもない
…冷静になった今だったら指揮官の気持ちが少し分かるかもしれない
そして、俺は当時同じように白忍の隊員だった友に説得され渋々燃やしたよ…
本当にあっという間だった
気づくと目の前の色が全て赤色に染まっていったよ
わかるか
もう、全てだ
…これが俺の知る事実だ」