僕は忘れるんでしょうか
「にゃはは♪大変そうだなぁ〜彼は」
棒つきのアメをなめ、黒い瞳と茶色い短髪がよく似合う男が気づくと話している
顔を覗くとランクスに負けずとも劣らないなかなかの美形である
「は、はぁ…そうですね……ところであなたはダレ…」
「うーん…ホントにうらやましいかぎりだ、うん」
――おい、コラ!シカトすんな!!
「にゃはは♪シカトすんなとか思ってるだろ!
まぁいいじゃねぇかお互い詮索すんのはやめよーじゃねぇの」
そう言うとシオンの横に来た男はよっこらしょと言い隣に座ると
「君、若いけどもしかして彼の弟子なの?」
――さっそく詮索しやがった…
「…はい、そうですけど……」
へぇ〜そうなんだ…と男が呟くとジャンプして立ち上がり
「そっか……修行がんばれよ、シオン!それじゃな!」
そう言うとすぐに走り去ってしまった
――なんだったんだあの男は……それにオレの名前なんで知ってっんだろ?言ったっけか?
するとちょうど男とすれ違いになるように一人の女の子がこちらに向かってくる