僕は忘れるんでしょうか
「親分はなぁこのカロールの町の領主様なんだぞ!!」
せっかく親分が溜めまでつくって言おうとした
決まり文句がさっきの子分Aに阻まれた
さらに哀愁が増した親分は
「お前はいいから黙ってやがれ!まぁそういう事だ…つまりオレ様に刃向かうやつはここでは生きられないってことだ…」
あまり聞いていなかったのかまったく動揺せずに
「それは残念だ…お前みたいな珍獣を動物園に紹介出来ないなんてな」
「この野郎!!…いや、ヘッヘッ、今すぐこの酒場から出ていったら許してやるよ…」
「本当か?それならここからすぐに立ち去ろう…」
そう言ってフード男が後ろを向くと、
取り巻きから不気味な笑い声が聞こえてくる
それはまさに獲物を見つけたハイエナの群れのように低くそして嘲るように笑う
その嘲笑を制すかのように、醜く太った懐から
酒場の照明よりも黒くそして訝しく輝る銃を取り出すと、
背を向けて去るフード男の頭に
銃口を向け、
引き金を、
引く………その時…!