僕は忘れるんでしょうか
「おいっランクス!何でシオンを任せた時に教えてくれなかったんだよ!」
「しょうがないだろ!オレもわ、忘れて…ななないけど……いいから走れ〜〜!」
「もう走ってるっつの!」
柱時計の秒針が鳴る
「坊っちゃまはまだか…」
白髪と立派に生えた髭がよく似合う老人が長机のそばの窓から外を見たり、机の周りを右往左往しながら呟く
「おい!ウジジイ!!センパイとランクスさんにはちゃんと伝えたんだろうな!」
ガムを噛みながら金髪にピアスの少年が老人に投げ掛ける
「ジジイではない!それにちゃんと伝えたぞワシは!!それより何だそのバカにした態度は!?」
最近の若い奴はと付け加えて老人が金髪の少年に怒鳴る
「まあまあウジさん…サクラマルちゃんもあんまり怒らせちゃだめよ♀」
頬にチーク、眼にラメとアイシャドーを装備した…いやいや化粧した筋肉質の男がたしなめる
「マキアさんの言う通りですよ!サクラマル先輩!」
金髪少年の隣に座っていた男がそれに続く
するとサクラマルと呼ばれた少年が
「うるせ〜!ディム!オマエはどっちの味方なんだよ!?」
歳が10歳は歳上であろうディムにたいして吐き捨てる
「い、いやそれは…もちろんサクラマル先輩は尊敬してますけど…」
「だ〜か〜ら〜…ディム君も困ってるでしょ!?サクラマルちゃん♀」
「うるせー!!このオカ…」
「!!」