僕は忘れるんでしょうか
「そこで誰が討伐軍の指揮するかだが、本来なら坊っちゃまの役割ですが他の仕事があるので……今回、ワシはアスラ殿こそが相応しいと考える!!!」
あれほど騒いでいた皆が静まり誰も首を横に振らない
「いや…ちょっと待て」
するとランクスが口を挟む
「今回の指揮はレッドに任せたいと思う」
「えっ!?オレかよ!!?」
レッドだけでなく会議室にいるランクスを除く全員が驚く
いくらなんでもといった表情でウジが
「それは断固反対です!!!坊っちゃま!!!アスラ殿なら実績もあり、統率力も抜群なのに何故!!!?」
「悪いがウジ諦めてくれ、今回は何があってもレッドでいく」
ランクスが確信を持っているかのように話す
それでも諦めきれないウジは
「坊っちゃま!!もう一度ご再考なさってくださいませ!!……何もこんな悪…」
「!!」
先ほどまでふて腐れていたサクラマルの顔が変わる
――あのくそジジイ!!センパイの“アレ”を言いやがって!!
机の上に置いてあったコーヒーを脚で横薙ぎに蹴り飛ばし立ちたがるサクラマル
「おい!くそジ…」
ガンッ!!!!
サクラマルの声を掻き消すぐらい大きな音を発てながら机を叩くランクス
一瞬にしてもう一度静まり帰る十勇士たち
「……取り消せ…ウジ………今なら許してやる………!」
顔面蒼白になったウジは頭をガクガクしながらレッドに面を下げる
「…にゃはは♪いいですよウジさん!そんなにお謝りにならなくても」
レッドが、にこやかにウジに応える
それを見てようやく少しは冷静を取り戻したランクスは
「……誰も文句はないな?…それでは今回の指揮はレッドにとってもらうことに決定した」