僕は忘れるんでしょうか
ガチャ
「ったくよ…散々な会議だったぜ…」
会議室の扉を開けサクラマルがガムをクチャクチャ鳴らしながらディムを引き連れ話す
「“因果応報”ってやつですよ、サクラマル先…」
「うるせー!バカッ!!」
全てを言う前に頭を叩くサクラマル
ディムは乱れた長く、黒い前髪を気にしながらサクラマルの後ろを申し訳なさそうに歩く
相当イライラが溜まっているのか、サクラマルが
「てゆうかオマエさぁ、前髪長すぎんだろ!ウザいから早いとこ切っておけよ!」
「いやですよ!サクラマル先輩っ!!この漆黒の長髪はボクのチャームポイントであって…」
「うるせー!いいから切れ―!!」
「坊っちゃま…少しお時間を宜しいですか……?」
ウジがランクスに声を殺しながら囁く
「…何だ?……レッドのことなら譲る気は無いぞ…」
「まぁ…とりあえずこの話を聞いてからにして下さいませ、坊っちゃま……」
ランクスが身体を直し聞く
「実はですね…斥候が漏らした情報はあれだけではなくもうひとつありまして…」
「?…何があるって言うんだ、ウジ」
ウジが周囲を注意深く見回しさらに続ける
「十勇士の中に裏切り者がいます」