僕は忘れるんでしょうか



「お待ち下さいませ!!坊っちゃま!!!」




ウジが雷帝に頭を何度も下げ、ランクスを追う










「さ♪ランクスなんかほっといて早く行こうぜ♪」



レッドがシオンの肩を後ろから押しながら促す





「けど!先生が…!」





「別にい―の!今はウジさんに任せておいた方がいい」






シオンは何か言いたそうな顔をしていたがレッドによってランクスと顔を逢わせることもなく渋々、城を後にした






















































「……坊っちゃま…………やはりここでしたか…」






湖に囲まれた浮き島のような庭にウジの声が通る








「懐かしいですね…いつも坊っちゃまとアスラ殿と、あのバカがここで遊んでいましたね…」






「子供の頃の話じゃないか……オレのせいで1人欠けてしまっているがな…」







「坊っちゃま…」










「…ウジ……教えてくれ…………オレはどうしたらいい…?」













「……あいつとアカネさんの事は坊っちゃまのせいでも雷帝様のせいでもありません…
後ろは何時でも見返せますが前は眩しく見通しが悪いものです
その光明を辿って行くのがたとえ苦しいことだとしても振り返らずに進まなくてはなりません…
人の上に立つというのはこのような業を背負っていくということなのです
…先程、雷帝様はこれを伝えたかったのではないでしょうか
ですからランクス様にあの悲劇を乗り越える契機として、ご結婚を薦めたのでは…」






「だとしても!……だとしても…オレには出来ない…まだアカネのことを…!」
「甘ったれないで下さい!!!」






水のせせらぎが聞こえる邱宮に頬を叩く大きな音がなり、小鳥が飛び去る





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