僕は忘れるんでしょうか
「……ちょい待ちギルツ」
ゆっくり席を立ち、落ち着いた態度でレッドが話す
それをオブラートに包んでも突き破るような視線で睨むように面を傾け、耳を貸す
「この白銀頭の少年は初心者だから公平な勝負をするにはハンデが必要だと思うんだよな、うん……どう思うギルツ?」
「初心者?……ハハハッ!…良いぜ!それならこうするか!?」
腹を抱え息を切らしながら提案する
「俺様に触れることが出来たらお前の勝ちで良いぜ!もやし!!」
「(んなの勝つに決まってるっしょ♪)よし!乗った!今から変更とかナシだからな!」
「にゃはは♪なんとまあ血気盛んなこと…ジャッジはオレがしてやっから安心して殴りあいな」
店の前の路地裏をメインストリートとは逆に進むと、金網で四方を囲まれた空き地があり、そこで行うことに決定した
多分ちょっと前までバスケットコートとしてでも使われていたのかもしれない
レッドは雨に濡れないように屋根つきのベンチに脚を組みながら座る
「……さてさてシオンの実力見〜せてもらっちゃおっかな?…にゃはは♪」