僕は忘れるんでしょうか
「いいのかレッド?……あのもやし下手したら…」
「死ぬねぇ」
いつの間にか隣に座っていたフィレンツェのおやっさんがレッドの返答に呆れる
「だったらなんで…!?」
「ランクスはオレに任したんだ…それだったらオレのやりたい方針で育てさしてもらう」
「けどそれにしたって相手が悪すぎる!もやしの実力が分かる前に潰されちまうぞ!!」
「それならそれでいいんじゃない?今のご時世どうせ甘ったれてるヤツは直ぐに死んじまうんだ
そういうのはオレたち、白忍にはいらない
オレが欲しいのは“不屈の魂”を持ってるヤツなんだよ」
「“不屈の魂”?お前にしては古臭いモノを欲しがるんだな?」
タネキのような腹をした男が現代人代表の様な茶髪男に問う
「…おやっさんは各地の戦争が終わったらこの世界はどうなると思う?」
質問を質問で返すレッド
「そりゃあ平和になるんじゃねーか?争う理由が無くなってるわけだからな」
「オレは違うと思うんだよね」
何でだ、と怪訝な顔つきで問う
「上昇思考がないヤツが横行している世界で平和などあり得ない、何故なら何としてでも今の現状を打破しようとする気がないからだ!戦争が終わったからといって自動的に平和になるわけじゃない
だから戦争の終結ではなく平和な世界を創るのが最終目標なんだよ
そこまではかなり険しいから精神面で強いヤツしかいらねーんだよ
つまり不屈の魂を持ってるヤツってこと!
どんなに古臭さくても、根底にあるもの、ってのはどの時代でも求められてるってことなんじゃない?」
「……レッド…?」
「…にゃはは♪けど死んじゃ意味ねーから死なせはしねーけどな♪さっ!始まるみたいだぜ」
――おやっさんには言えなかったがシオンは鍛えていくべきな気がすんだよな…それもかなり強く
その必要性というのも局地的な意味ではなくてなんというか、世界的というか…
だからそれを感じてランクスはオレに任したのか?……いや…考え過ぎか…?