僕は忘れるんでしょうか
グラビティ
「……潰れな…重力…!」
「!!…か、身体が…!」
ギルツに真っ直ぐ特攻を仕掛けたシオンだったが頭から地面に倒れこみヘッドスライディングのように勢いよく滑る
それを半身で軽く交わし相変わらずの不気味の姿勢のまま白銀色を見下す
――な、なんだ今の!?身体が一気に重く…!?
……けど今は普通だ
「どうした?ソウルがそんなに珍しいのか、もやし?ランクス様の弟子ならこれぐらい動作もないことって思ってたが」
「るせえ!もう一回だ!!」
「流石はアスラ様の弟だな……容赦と情けがない…」
パンパンに膨れたポケットから煙草とライターを取り出しさらに呆れる
「にゃはは♪…んけどどうにか出来ね―もやしはただのもやしだ!」
「……何を伝えたいのかよく分からねーんだが…?」
――ヤバい!あの黒ゾンビのソウルは危険過ぎる!
あれが発動してる限り攻撃が通らない…
けど何で今は大丈夫なんだ?
……えーい!わからん!とにかくもう一丁突撃だ!
「ぬぅらぁぁ!!」
シオンが叫喚し剣先の泥を片手で振り払ってから小剣を雨で濡れた長い黒髪をたらしたギルツに向け攻撃をする