僕は忘れるんでしょうか
「ムダムダ!!」
ギルツは先ほどと同じように視線と右手をシオンに向ける
――ヤバい!来る!……ぬわっ!!
シオンは極限の疲労のせいか、それとも雨で滑り易くなったせいか突撃をする途中でコケてしまった
――しまった!もやしに気づかれる!
――更にヤバい!この体勢で黒ゾンビにソウルを使われたら立てなくなる!……ってあれ?身体が重くならない?
………ていうかさっきから何でオレが倒れている時にソウルを使わないんだ?
……もしかして!?
「にゃはは♪気づいたか」
「もしやギルツの弱点か!?何だそれって!?」
「ん―と…ギルツのソウルは確かに強いんだけど2つ欠点があんだよね♪」
レッドは左ポケットから新たな棒つきの緑色のアメを取り出し続ける
「まず1つ目は“自分の視界に片手と適用者が見えないといけない”だからさっきシオンが雨でコケて急に視界からいなくなったからギルツのソウルは発動しなかったってわけ」
「つまり……失敗させるには“相手の視界から消えればいい”ってことか
なるほど…だからレッドが教官に選ばれた、ってことか…それじゃあもうひとつの対応策は?」
「もうひとつはシオンがちゃ〜〜んと気づいたみたいだぜ♪」
「おい!黒ゾンビ!」
シオンが泥だらけになったびしょびしょの服を払いながら吠える
「オレが倒れている間、何故ソウルを発動しないか……やっと……見切った…」
「見切っただと?そんなハッタリ誰が信じるか!」
――不味いな…感づかれたか…?
「……オレが倒れている時ソウルを“使わなかった”じゃない…“使えなかった”んだ!!
「!!」
――クッ!核心を突かれたか…!
……何故なら…
それは…何故なら…」