僕は忘れるんでしょうか

≡≡≡≡≡≡≡≡



また不機嫌な金属が聞こえる

















誰だと訊く由もないな
どうせノロマ亀んとこの“七光り坊や”ってとこだろう

白鳳隊も堕ちるところまで堕ちたものだ、私がいた時代ではもっと高潔で何よりも…




「失礼します!!アスラ=ランドスター様がお目通りしたいと仰っていますが如何なされますでしょうか!?」


「だそうですが、お如何にしますか?」



私は通せと首を頷く


「承知しました…お通ししろ!」




若年の兵隊は敬礼をし、そそくさと焦ったせいか転びそうになりながらも巨大な扉に走る





華美な装飾とは無縁で、ただただその大きさが剥き出しになった扉が開いていく




ガチャンと音が鳴り完全に開くと横から蒼のマントと十勇士の刺青をつけた青年が出てきた








銀の鎧が噛みつくように彩を放つ





あれは何か決意をした明光だ
でなければあの若造にあんなに覇気が纏まる訳がない







しかし、“光がある処には闇がある”という














さぁて、彼の闇は何色だ…?
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