僕は忘れるんでしょうか
≡≡≡≡≡≡≡
「……み、認めんぞ…!…もやし!!…レッド!!…オレは…断…じて!…」
溝を押さえながら膝から倒れこむギルツ
どうやら気を失ったみたいだ
「あらら〜…な―んかオレ睨まれちゃったんだけど…不吉だなぁ♪」
「そんな悠長なこと言ってね―で早く2人を…」
「レッドセンパ〜イ!!」
遠い頭上から聞こえる
発信源を辿るとどうやらバスケットゴールの裏にひっそりとある、縦長の古い造りの家屋の屋根付近から聞こえてくるみたいだ
あり得ない角度から発せられた声に少し驚きながらレッドは主を確認すると
「おぉ〜!サクラマル♪どったの?」
「いや〜捜しましたよ!何でも雷帝様がお呼びですよ!」
「親父が??なんだろな…最近イタズラしてねーのになぁ……」
「マジっスか?ま〜たなんか、やらかしたんじゃないんですか?」
サクラマルが笑いながらからかう
「にゃはは♪かもな!…わざわざお前が来なくても10番目の男の……えーと…髪長くて、新人のアイツに来させればよかったのに」
「あぁ!ディムのことっスね!なんかどこにも見当たらなかったらしいんで、次に下っぱのオレが代わりに来ました
……後でアイツにはコブラツイストverサクラマルオリジナルをかけてやる…
けど命令したのがウジジイだったんでどうせオレに回ってきそうですけどね」
「な〜る…分かった!直ぐ行くって伝えといて!」
「りょーかいで―す!」
それを聞くとサクラマルは店主の煙草の煙と一緒にふっと消えた
「つーわけだからオレ、行ってくらぁ♪」
気づくとあれほど降っていた雨が止んでいる
この雨はシオンにとって正真正銘、恵みの雨となったのかもしれない
「ちょっと待てレッド!!このガキども2人はどうすんだよ!?」
「とりあえずおやっさんに任せた!そんじゃヨロシク♪」
それだけ伝えるとレッドは悠悠閑閑と歩いて行ってしまった
「あの野郎…兄弟そろってテキトーだな……まったく…“ツカサ”!“ミスズ”!ちょっと来てくれ!!」