僕は忘れるんでしょうか
「好きです」
「…すいません」


「うわぁ〜!ツカサさんにフラれた〜!」



シオンがギルツに泣きつく
彼が横になっているベッドの周りがシオンの鼻水と涙で満ちていく





「くっつくな!つか、知り合って2日目でいきなり告白するバカがいるか!」


「バカじゃないし!愛される天然キャラだし!てか、お前みたいなクールな黒髪男子がモテる時代は終わってんだよ!」



「んだとぉ!ツカサにフラれてるくせにモテ男理論を展開すんな!!」

「フラれたって言うな!!」

「てめぇが最初に自分で言ったんじゃねーか!!」


シオンとギルツが口論を開始する
この光景を見飽きたのか、もう止めようとも考えない女性陣




「……何であの2人はケンカばっかなの…?」


ミスズが空のグラスにレモンティーを注ぎながら呆れる


「もう、知らない!前世で何か因果でもあったんじゃない?
けど、ケガが大したことじゃなくて良かった……ちょっと元気過ぎるけど…」


「それにしても、あのギルツが勝てなかったなんて珍しい…っていうか初じゃない?」


「そうだね、白忍のルーキーの中では敵無しだったみたいだし…それより!ちゃんと見習いくんに謝ったの!?」



「えっ……やっぱ、謝んなきゃイケない?」


それを聞いて更にダメだと念押しをするツカサ
どうやらちょっと本気みたいだ




「はぁ…わかったよ〜…ハイハイ謝ればいいんでしょ?謝れば!……ちょっとシオン!こっち来い!」


ミスズが顔を斜め下に向きながら呼ぶ



「何?ミスズ?」

――てか年下なのに命令形?
むしろ何か失礼なことしましたっけ?自分?




「あのさぁ…」
< 67 / 77 >

この作品をシェア

pagetop