僕は忘れるんでしょうか
「レッドセンパイ!急いでくださいよ!オレが怒られるじゃないッスか!」
「にゃはは♪そうだな♪」
としか言わず多少も歩く速度を速める素振りをみせず、それどころか棒つきアメを薦める余裕を代わりに見せる
「いらないッスよオレは……あっそだ!そういえばギルツのヤツ負けたんスか?センパイ呼ぶ時にちらっと見たんですけど」
「そうなんだよ!やっと同期で勝てるのが出てきたんだよ♪」
いくら模擬戦だとはいえ自分の弟子が負けたのに本気で笑う表情に釣られ、サクラマルも思わず頬が緩む
「あのもやしみたいなヤツがまさか勝つとはな〜……どうやって勝ったんッスか?」
「それがよ―、ホントにまぐれなラッキーショット!ギルツがソウルを仕掛けたときシオンが雨で滑ったおかげでかわして、その時シオンが振った剣になんと…!」
「なんと…なんです?」
「“風が通ったんだよ”……にゃはは♪」
「風…ですか?……まあ…何にせよ“負けられて”良かったですね
あん時、オレがレッドセンパイに負けたみたいに」
「んなこともあったね〜♪」
「ホントにセンパイは軽いっスね…まあ良い意味で言ってるんですけどね」
「にゃはは♪」