―――執着―――
今日は、黒い長髪をポニーテールにして纏め上げている恵美は苦笑を浮かべた。
「……気が弱そうというか、ウザイ系?」
「同感」
「さすが友!!あたしと同じ思考をお持ちでっ!」
「それ、最悪………」
「あれ?昨日と立場、逆転してね?」
「さぁね」
「あらあら、恵美さん。冷たいっ!」
ちょっとぶりっ子ぶってみると、恵美に「キモッ!」と言われた。…………軽くショック。
知らないうちに仮委員は、何とかほとんど決まったらしく、残りは学級代表………略して学代の女子の欄だけがポッカリと開いていた。
どうやら女子は面倒事は引き受けたくないという方々のお集まりらしい。このクラスは。
とはいえ、このまま決まらないと休み時間が削られてしまうのは目に見えている。
そこで、1人の男子生徒が手を皆に聞こえるように言った。
「工藤!お前やれよ!」