―――執着―――



1人でそんな呑気でバカらしい事を考えていると、杉崎はリーゼント2の腹に蹴りを決め、あたしに「逃げるぞ!!」と怒鳴った。



早すぎる展開に着いていけなくて、思うように動いてくれなかった足だったが、杉崎の怒鳴り声が耳に入ると同時、地面に縫い付けられたように重かった足は、すんなりと動いてくれた。



「う、うん!」



あたしは、杉崎に引っ張られるがままに道を全力疾走する。



当たり前の事ながら、体力なしなしのあたしが杉崎の走りについていける訳がない訳で・・・・・・



リーゼント達が見えなくなった瞬間、あたしの足はカクンと地面をついた。



「はぁっ、は、ぁ・・・んっ・・・」



息切れが酷く、苦しい状態が少しの間続く。



そんなか弱くて、弱々しいあたしを見ながら杉崎は溜息を吐いた。



「・・・・・・体力ねぇな。まだ100mくらいしか走ってねぇのに」



「わ、るかったなっ!!元々、瞬発力はよくても、持久力はねぇんだよっ!!」



「・・・威張ることか?」



「あたしが、か弱いっていう証拠だ!!」



「・・・か弱いとかじゃないと思うけど。それ」



「いちいちうるせぇな!!まったく・・・・・・人を助けるなんて、マジでありえない・・・」









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