―――執着―――
~醜心~
「―――ごめんなさい、お母さん」
午前3時………
あたしは、人が何かにぶつかる音と何かを投げた音……そして小さく愚痴る母の声で目が覚めた。
いつもは、普通で優しいお母さん。
けど、あたしが、そんな優しいお母さんを怒らせてしまっている。
――今回の原因は、あたしが母が今年からやる役員会長を侮辱した事から始まる。
母は、あたしが小学1年の時に、ある事がキッカケで精神的な病気を患っている。
その事をネタに隣人から「会長なんて出来る訳ない」と罵られたらしい。
慰めのつもりだった。
あたしは、母がやる役員会長を「ショボい」と言って侮辱した。
いつもしてしまう、慰めようとしての空回り。
今、母に「慰めようとした」などと言っても結局言い訳にしかならない。