―――執着―――




――――――――――――――――――



軽快な音を立てて鳴るチャイム



入学して間もない、あたし工藤沙羅砂は、また先生に頼まれて“アイツ”を探しに、屋上へ来ていた。



昨日、満開だった桜も結構な具合まで散り、桜の木からは緑の葉っぱがチラホラ見え始めている。



そんな中、フェンスに寄り掛かり、未成年だと言うのに煙草を口に咥える杉崎の姿があった。



「未成年のくせに煙草吸ってんなよ・・・バカ」



「法律は破ってなんぼだ」



「守ろうぜ!?一応、あるんだから!」



昨日の事もあったせいか、初めて対面した時よりは会話が続く。



・・・・・・まぁ、言ってる事はムチャクチャだが。



「――――――そういえばさ、」



「あ?」



煙草の吸殻を携帯灰皿へと押し込み、ポケットへとしまう仕草は、何かヤンキーくさい。



前に居た所でヤンキーをしてたんじゃないだろうか?








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