―――執着―――
顔見知りじゃないと言えば、入学を機に転校して来る奴と、近所にあったもう一つの小学校少数だけだ。
どうやら、あたしの隣もそのどっちからしく、見た事のない顔だった。
「………」
顔は伏せていて分からない。けど、何となく格好いいような気がした。
……女の勘って奴かな。大体は当たらないけど。
得に喋りかける用事もなかったし、今の友達関係に満足している為、別に新しい友達を作ろうとかも思わなかった。
わざわざ他校の奴と友達になろうとする奴の方が少ないくらいだ。
自分の学校は自分の学校内で。
何故かそれが、暗黙の了解になってしまっていた。