君と、恋

落ち着け、あたし。


訳分かんないのはあたしだ。


…でも、落ち着いていられない。


最低だ。


聞きたいなんて。


でも、でも。


聞きたい。




















「別に何もねえけど」





















そして十夜は。


そう言いながら、


隣にいるあたしに


静かに近付く。


















「何もないならさ…、別れるとか…そんな、」
























「お前さ」
























突然近付いてきて。


突然話し始めた。























「あの彼氏と…どうなの？」


















「あ、あたしのことはいいの！十夜の話、聞きに来たんだからっ」
























だけど。


気付けば、目の前まで


接近していた十夜。


あたしの心拍数がどんどん


上昇していく。





























「…十夜、別れるとか言わないで。ちゃんと向き合って？」
























「分かった」





























…はい？


分かった？




























「…ん？うん、それならいんだけど」





















頭にハテナが浮かぶ。


分かった、って。


ろくに話も聞いてないのに。


ろくに相談もしてきてないのに。


分かった、って。