君と、恋
「いや…、それはやっぱり飛鳥ちゃんが…」
一歩引き下がる。
それと当時に、一歩
前に出る彼女。
「今日渡したくて。だけどあたしすごく急いでるんです。お願いします!」
何故か分からない。
そこまでするなら、
用事を放っておいて
十夜の元に行けばいい。
「これを…渡せばいいんだよね?」
「あ、はい。すいません。よろしくお願いします!」
浅く礼をした後、
彼女は走って去って行った。
「何か…飛鳥ちゃんて、不思議な子だね」
「ん…、本当にね」
あたしと結衣は、
残されたその場所で
ぼかんとするしかなかった。