君と、恋
「座ってろ」
「…うん?」
座れと言われて、
絨毯の上に腰を下ろす。
ふかふかの地面で、
座り心地がすごくいい絨毯。
「紗月」
「ん?…痛っ」
頭にコツンとぶつかった
小さなピンクの箱。
大きさは手のひらのサイズで、
可愛いラッピングがしてあった。
「何、これ…飛鳥ちゃんの?」
「ちげーって、馬鹿か」
何の、ラッピング?
あたし誕生日過ぎちゃったし。
別に特別な記念日なんてないし。
「お前にやるよ」
「…あたしに?何で?」
そう言いつつも、
箱をゆっくり開封する。
「誕生日、やるの忘れてた」
「…これ、って」
キラキラ光る。
金色のそれは。