君と、恋
「とおやく~んっ!」
あたしは毎日のように、
とおやくんを誘って遊びに出た。
とおやくんはすごくかっこよくて、
優しくて大好きだった。
時には家の中だったり、
時には公園で砂場遊びだったり
毎日たくさん遊んだ。
ある日の夕暮れ。
公園のベンチでの出来事。
あたしは小さなとおやくんと肩を並べて座った。
「さっちゃん、あのね」
「な~に、とおやくん!」
「僕ね、大きくなったらさっちゃんと結婚する!」
「ほんと~!?」
母親と一緒に見るドラマで、
聞いたことのある台詞。
「さっちゃんは僕のお嫁さんね!」
「じゃあ、とおやくんは紗月のだんな様!」
にっこり微笑んだとおやくんが、
今でも眩しかったのを覚えてる。
あたし達はこの時、“約束”を交わした。