君と、恋
すると、受信していることを表す
ランプが点滅していた。
携帯を開くと、画面には
“受信メール3件”
と、出ていた。
あたしは普通にフォルダを開いた。
送り主は3人。
結衣と哲と、十夜。
なぜかあたしは、メールを
開くことを出来ずにいた。
気軽に開けた結衣からのメールは、
旅行の内容だった。
あたしは結衣に返信すると、
一旦携帯を置いた。
せっかく振り切ったのに…。
思い出すのは、
階段ですれ違った光景ばかり。
あの可愛らしい女の子の声が頭に響く。
本当だったら…。
前のあたしだったら、
きっとあの場で泣き崩れていた。
だけど、今のあたしには
哲という存在がある。
「あ、メール…」
あたしは机の上に置いてある
携帯を手にとって開いた。
さっきと変わらない表示画面。
少し動きが鈍い手で、メールを開いた。