君と、恋
学校の門に近付くに連れて、
生徒の数が多くなる。
聞こえてくる声も、
大きくなった。
その中でも一際目立つ人達。
「紗月!」
まだそんな近くじゃないし、
たくさんの人であたしのことなんか
見えにくいのに、
哲はあたしのことを
1番初めに見つけてくれた。
「哲、おはよ!」
目の前に来た哲は、
すごく優しい顔をしていた。
「紗月ちゃん、おっはよ~!」
貴哉さんと龍司さんも
哲に続いて挨拶をしてくれた。
「結衣、おはよ」
「おはようございます!」
何かが変だと思ったら、
龍司さんが結衣を呼び捨てに
していたことだった。
あたしは1人勝手に、
頬がにやけそうになっていた。