君と、恋
「や、めて…っ」
「いいじゃん、楽しいことしよ~」
真夏の太陽の下。
まとわりつく男達が
うっとうしくて、
気持ち悪くて。
「ね、お姉さ…」
「てめぇ、誰に触ってんだよ」
低くて、怒りがこもった声。
目の前には鋭く男達を睨む
哲の姿があった。
「ぜってー、殺す」
低く、そう呟いたかと思えば。
一瞬の速さで、哲は男達に殴りかかった。
怖くてしゃがみ込んだ。
知らない男が、今まで近くに
居たなんて…考えられない。
「や、やめて下さい…」
「は?聞こえねえ」
必死に抵抗する男達を、
これでもかというくらいに
殴り続ける哲。
「うわぁぁ~」
「やべ、逃げろっ」
3人の内、2人がビビって
逃げて行った。
殴られた瞬間、真っ青な顔で。
「お前、こいつに何したんだよ、なあ」
ガムをくちゃくちゃと噛んでいた
男が取り残され、着ている服の
胸元を哲がしっかり掴んでいる。