君と、恋
「十夜、こんな所で…何してんの?」
いつも部屋で寝ている十夜が。
公園に来ている時は大抵。
「ん…まあな」
何かに悩んでいる時。
いつだってそうだった。
進路に悩んだ時だって。
誰かと喧嘩した時だって。
親に怒られた時もここに
来てたっけ。
「十夜らしくないな…、どしたの?悩み事?」
明るく振舞っているあたしとは
裏腹な態度の十夜。
いつもなら笑って。
"うるせえ、黙ってろよ"
って言ってくれるのに。
「重大な悩み事だよ」
重大な…、悩み事。
そんなに悩むこと、
十夜にあったっけ。
「相談乗るよ?何でも言って!」
「…別に、大したことねえけど」
表情が曇る。
きっと、十夜の中では
大きな大きな悩み事なんだ。
「…十夜、どうしたのよ…」
「あのさ、」