君と、恋
土曜日。
いつもより少しオシャレをして。
「お待たせ!遅くなっちゃった…」
「いいよ。今来たところだからね」
結局あたしは、
昼間に哲と会うことを約束し。
帰ってから十夜と会うと告げた。
普通に考えて、哲を断るわけには
いかないし。
これで、よかった…よね?
「んじゃ、行こうか」
哲はそう言って、
優しく手を差し出してくれた。
静かに手を乗せると、
ぎゅっと握って歩きだす。
行き先は近くのテーマパーク。
観覧車が大きくて有名な場所。
前からそこに行きたくて、
約束をしていた。
「うわさ通り、大きいね」
「すっごい…楽しみ!」
入口に立つだけで、
館内のすごさが分かってしまう。
休日だということもあって、
人がたくさんいる。