君と、恋
「紗月、何から行く?」
「んとね…、あ。これ!」
館内の見取り図を見ながら、
行きたい所を指差す。
哲は優しく笑って、
行きたい場所に連れて行こうと
進んで歩いてくれる。
あたしはそんな姿に頬が緩む。
「…、これ、乗るの?」
「ここ…って言わなかったっけ?」
連れて来られて、
大きな乗り物を見上げる。
大きすぎて、大きすぎて。
そして長過ぎて。
あたしはというと。
「あの、…あたし、怖い」
怖気づいているのだった。
「大丈夫だって紗月。俺がいるじゃん」
優しく哲が、
頭を撫でてくれるものだから。