君と、恋
















「…、行こっかな」



















何てったって。


あたし単純だから。


嬉しくなっちゃって。
























「…やっぱり高いね、ここ…こっわぁ」




















「大丈夫だよ、紗月。ほら」
























哲はあたしを見つめる。


あたしは景色すら見れず、


顔を下に向けていた。


だって、だって。


やっぱりまだ恥ずかしいよ。





















「紗月、顔上げて?」





















「やだ、無理、怖いもん」




















「ほーら、紗月。これ見て?」
















「…え、」























その時。


哲がすがるような声を


出すものだから。


あたしってば、何故か。


顔を上げた。






















「何ちゃって。ごめんね」















そして哲は。



















< 94 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop