君と、恋

















見渡すと、空が紅くなってた。


時計に目を移すと、


夕方を表す時刻になっている。


いつの間にこんな時間が経っていたのか。


今日乗った乗り物は全部で7つ。


3Dでキャラクターが出てくる


アトラクション1つと。


観覧車1つと。


ジェットコースター的な


絶叫系…5つ。


1番初めに乗ったジェットコースターで


慣れたと思ったのか、楽しく感じて。


はしゃぎすぎたあたしは、


その後に4つも乗ってしまった。


後悔というものは、大体いつも


後から来るもので。


あたしは今ものすごく、後悔中。



































「紗月」

















背後から声がして、


ゆっくり顔を後ろに向ける。


そこには哲がいて、


手には白いカップが1つ。


























「哲…、おかえり」
















「ほれ、これ飲んで」
























差し出されたカップには、


"園内1番人気シェイク"


の文字が記されている。


これは。


あたしがここに来る前に


飲みたいって言ってたやつ。























「…これ、どうして?」






















午前中に見つけた販売店で、


買おうとしたけど。


行列が出来ていて、結局買えず。


諦めていたのに。
























「丁度人いなくて。ついでにトイレ行ったから遅くなっちゃって」




















「でも…1つしか、ないし」


















「いいんだよ。紗月のために買ったんだから。飲んで?」























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