君と、恋
冷たい容器の温度が、
あたしの体調を回復させてくれる。
「ん…、おいしい」
「元気なった?」
大きく首を振ると、
哲は心底安心した様子で
笑顔を見せてくれる。
あたしも、つられて微笑む。
「でもやっぱりあたしだけはやだ。はい、飲んで」
気が引ける。
せっかく買ってきてもらったから。
この味を一緒に味わいたくて。
嫌がる哲に。
あたしは無理矢理ストローを
口付けた。
「ありがと」
哲があたしの顔を見て、
飲むものだから。
何故か頬が熱くなった。
「帰ろっか、遅くなるし」
「そだね、帰ろ」
今日は、哲の優しさに
触れた1日だった。