彼と私と隣の彼
それから数日経って、春人が女の子に手を出さなくなったと、学校中で噂になっていた。
「いやー俺って人気者?」
相変わらずな春人に言葉すらでない。
けど、正直本当にここまでやるとは思ってなかった。
びっくり、なんてもんじゃない。
毎日の様に女の子と群がってたのが嘘のよう。
「ねぇ…本当に切ったの?」
「もちろん。詩乃ちゃんに信じてもらうためだし?」
「あたしは先輩が好きなんだよ?」
「ん。知ってる。」
知ってないよ…
全然わかってない。
「望みはほとんどないじゃん…」
あたしならそんな片思いしたくないもん。
なのに…どうして?
「1%でも可能性があるなら、わかんないでしょ?」
頑張らせてよ。
春人は強気な瞳でフッと笑って、
「俺のもんにするよ。」
自信満々な様子。
「なっ…///」
途端に恥ずかしくなるあたし。
そんな直球で言わなくたって…
「自信あるもん。詩乃ちゃんは俺なしじゃ生きれなくなるよ。」
「な…にそれっ!わかんないじゃん!」
一度目が合えば反らせない。
そんな強い眼差しにつかまったあたしは、思いとは裏腹に体中が熱くなった。